【不動産売買仲介会社】人が辞めない不動産会社の作り方(2/4)
人が辞める本質的な理由
【不動産売買仲介会社】人が辞めない不動産会社の作り方(1/4)
データで見る退職理由
エン・ジャパン株式会社が発表した調査(参照:エン・ジャパン株式会社『1500人の求職者に聞いた退職理由の真相!「退職理由のホンネとタテマエ」))によると、
【建前】
1位 結婚・家庭の事情(23%)
2位 体調を壊した(18%)
3位 やりたい仕事内容ではなかった(14%)
4位 業界・企業の将来性が不安だった(6%)
5位 社風や風土が合わなかった(6%)
【本音】
1位 人間関係が悪かった(25%)
2位 評価・人事制度に不満があった(12%)
3位 給与が低かった(11%)
4位 拘束時間が長かった(11%)
5位 社風や風土が合わなかった(11%)
上記を見る限り、
「家庭の事情で…」
「結婚するので…」
「体調が芳しくなく…」
といった定番の退職理由は、本音ではない可能性が高いでしょう。
上記「本音」を見ると、「5位社風や風土が合わなかった」は採用アンマッチの要素が大きいですが、
1~4位については採用後の問題です。
また、人間関係を除いては、「人事」の問題なのです。
実は人事制度を良好化するだけで、41%の退職理由をつぶすことができるのです。
つまり、
①人事制度への不満
②人間関係への不満
の2つの不満が防げれば、
(1)「人間関係の悪さ」で人は辞める
前述のとおり、人間関係が悪いという理由は25%と4分の1を占めるメジャーな理由です。
人間関係の悪化は大きく以下2つから生じます。
①悪口をいう
②無視する
まず、「①悪口をいう」ですが、これはいうまでもなく良くないことであることはご承知のとおりです。
悪口は、どこからかのルートで必ず本人の耳に入ります。
悪口を言われた人が「僕の悪口言ってるんだよな?」なんて、悪口を言っているとされる人に事実確認をすることはあまり起こりませんから、悪口を言われた人は、コミュニケーションを取らないようになってきます。
よって、
次に「②無視する」ですが、何もイジメのような無視だけではありません。
実は知らず知らずのうちに無視していることもあるのです。
例えば、以下のような事項です。
✓ 互いに挨拶をする文化が弱い
✓ 背景・目的を伝えずに手順だけを指示する
前述しましたが、
ことで退職への道を歩みます。
「おはよう!」
「ありがとう!」
といった挨拶は、「あなたのことを認識しているよ、存在を認めているよ」というメッセージなのです。
幼稚園から教わる基礎的なことですが、このような細かなことから人間関係が悪化していくのです。
また、「背景・目的を伝えずに手順だけを指示する」ということは、
「あなたは目的や理由など考える必要はない」と、意見を無視していることと同義です。
指示待ち人間が増えるだけでなく、
(2)「将来が見えない」で人は辞める
「この会社にいても自分の将来が見えない」
これも大きな退職要因です。
これは、
あなたの会社には、明確な「キャリアパス(=出世の道筋)」はありますでしょうか?
また、それは「管理職にならない出世パス」がありますでしょうか?
さらに「花形職種でない職種についても出世パス」がありますでしょうか?
「店長のポストが埋まっている。自分は一生末端の平社員だ。」
「マネージャーのポストが埋まっている。自分は店長がキャリアハイだ。」
そう思わせるキャリアパスであれば、たとえキャリアパスがあっても意味がありません。
そこで、「統括店長」「教育マネージャー」など必要のない役職を場当たり的に作る企業もありますが、
それも正しい選択とはいえません。
なぜなら、役職や職位とは、明確な役割を与えて初めて機能するものだからです。
場当たり的に役職を増やしても、人件費が高騰化するだけで、会社の収益を圧迫してしまいます。
良いキャリアパスとは、
✓ 管理職になる以外の道筋がある(=営業のスペシャリスト等)
✓ 花形職種以外にも道筋がある
キャリアパスを設計することです。
(3)「納得できない」で人が辞める
「結局、社長に気に入られたら出世するんでしょ」
こういったことは、社員が口に出しませんが、
中小企業では多くの社員がそう思っています。
企業は、社長の示す方向に進んでいくという側面がある以上、
「社長に気に入られたら出世する」というのは事実なのですが、
機械的に数字で評価出来ればいいのですが、
どうしても数値化できない要素があるのも事実です。
それをルールにして、配点していくのが評価制度なのです。
イメージでいえば、フィギュアスケートの採点のようなもので、
「美」とは何か、を可能な限りルールにすることで、公平性が増していきます。
「納得できない」評価制度にしないためには、
✓ 何を評価するのかを明確にする
✓ どうやって評価するかを明確にする
✓ なぜその評価になったかを説明する
✓ 次年度はどうなってほしいかを指し示してあげる
✓ 次年度のあるべき姿になるために何をすべきかを教えてあげる
ことで、公平性が高まるだけでなく、
次のコラムでは「人事制度のポイント」についてお伝えします。
カテゴリから記事をさがす